組織の問題を生み出すのは、世代による「キャリアの志向性の違い」？

4月になると新卒の若手社員が入社し、早期離職やミスマッチ、オンボーディングの失敗といったような問題についてご相談いただくことが増えてまいります。
その要因として、いわゆる「世代間ギャップ」という若手世代と上司・先輩世代との価値観の違いがあることは、皆様も実感されていることかと思います。

世代間ギャップと言われる価値観の違いの中には、「キャリアの志向性の違い」があると言われています。

キャリアの志向性というと「どのような経歴を積むか」や「どのように働いていきたいか」といったような、中長期的な観点のイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、Z世代と呼ばれるような若手世代は、実際にはキャリアを「スキルを覚えること」だと認識し、わかりやすいスキルや知識を得ていくことを重要視している傾向にあると言われています。
実際、弊社では新卒社員やインターン生の受け入れも行っていますが、このようにわかりやすいスキルを獲得できる経験を希望されるケースが増えています。

そのような若手社員と、異なる教育方針のもと育ってきたであろう上司・先輩世代とでは、キャリアの志向性が異なることは致し方ないことかも知れません。

　　▼キャリア志向性の違い（例）
　　　上司・先輩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー　部下・後輩
　　　「時間をかけて経験値を身につけてほしい」　　　　　　　　　ー　「短期的でわかりやすいスキルや知識を教えてほしい」
　　　「伝えた以上のことを汲み取って自分で考えて動いてほしい」　ー　「与えられた情報で効率よく正解を出したい」
　　　「失敗をしてもそこから何を学ぶかを重要視してほしい」　　　ー　「失敗したくなくて萎縮してしまう」

世代間による価値観の違いは、下記のような諸問題を生み出す要因へと変わり、組織のパフォーマンス低下につながってしまう可能性を秘めています。皆様も実感をお持ちではないでしょうか。

　・"伝えたいことと求めてること" の違いによる、組織内のコミュニケーションギャップ
　・目標設定時に重要視する観点の違いによる、若手社員のエンゲージメント低下
　・中長期のキャリア計画への考え方の違いによる、若手社員の早期離職