必要性が高まるミドル・シニア人材の活躍。
・VUCAと言われる事業変化が早く、不確実性が高いことへの対応
・労働人口の減少を起点にした働く期間の延長
・同一労働同一賃金の法制化
といった社会要請に応じて、これまでの終身型雇用は維持できずジョブ型人事制度への移行が進みつつあります。
ジョブ型人事制度といっても画一ではなく、各社に適した取り込み方はあるものの、
ジョブ型人事制度への移行は一過性のブームではなく、重力として抗えないように思われます。
このジョブ型人事制度が進むことによって大きな変化を受けるのがミドル・シニア人材です。
今回は、ミドル・シニア人材が直面する変化と組織への影響を捉え、組織が成長する大切なポイントをお話いたします。
■ジョブ型人事制度が進む背景
大きな流れとしては以下3点が絡み合い、ジョブ型人事制度が日本で進んでいます。
①VUCA時代への対応
変化が激しく、不確実性が高まる現代において大事なことは変化対応できる柔軟性であり、固定的かつ直線的な終身雇用制度では競争に勝ち抜くことが難しくなってきています。
そのため付加価値の高い仕事を見極め、そこに資源を投下していく仕組みづくりが求められています。
②労働人口の減少を起点にした働く期間の延長
少子化による生産年齢人口が減少する一方で、高齢化によって65歳以上の人口比率は増えていきます。
実際、2020年には29%が65歳以上であり、今後も急速にこの比率が増えていきます。
これまでの社会保障モデルは維持できないことが見えており、国としては長く働ける雇用要請を企業へ強めています。
そして、高齢者の希望次第で70歳まで働くことができる制度を2021年4月から企業の努力義務にすることを決定しました。
このように長期で雇用が続くことが前提となると、企業は年功序列がベースとなる人事制度では限界が見えてきています。
③同一労働同一賃金の法制化
同一労働同一賃金とは「同じ内容の仕事をしている限り、
雇用形態に関わらず同じ賃金を払うものとする」ということで2020年より法制化されています。
まさにジョブ(仕事)によって賃金が規定されるという国からのメッセージです。
雇用形態の違いによる処遇差を規定にこの法制化は進んできていますが、
今後は同じ雇用形態であっても年齢に関係なく、仕事内容で処遇が決まっていく流れに舵が切られています。
■ミドル・シニアが直面する変化と課題
では、こういった社会要請によってミドル・シニアにおきる変化は何が出てくるのでしょうか。
【求められる能力の変化】
事業の外部環境が変化していく一方で働く期間が長くなると、自分が保有しているスキルや経験を活かせなくなってきます。
これまで通用していたものが通用しなくなる状況に遭遇し、新たに必要なスキルや能力を学習し、身につけていくことが求められます。
これまでの成功パターンを捨てて、新たなものに挑戦していくことは真っさらな状態から吸収するよりも非常に難易度が高いです。
これを一度とは限らずに、日常の当たり前から違和感に気づき、学び直し、スキルチェンジしていく変化対応力が求められます。
【職場での役割変化】
年功序列の人事制度で管理職へ上がっていくものの、管理職から役割変更となってメンバーに戻る、ということが普通になってきます。
本来、管理職自体も1つの役割であるのですが、管理職でなることに対するキャリア喪失、年下上司への抵抗感等が出てきてしまい、職場での役割変化にうまく適応できない可能性があります。
自分自身でのキャリア意識も大きく変わり、実際として求められる役割が変化していくのミドル・シニアの特徴でしょう。
パーソル総合研究所「働く1万人成長実態調査2017」で明らかにされているように40台で自分自身のキャリア感に大きな変化が生まれます。
出世という直線的なキャリア意識だけでは、仕事そのものへの意義が見出しづらくなってくるのではないでしょうか。
出所:パーソル総合研究所「働く1万人成長実態調査2017」
ミドル・シニアは経験も豊富であり、職場で貢献できる範囲も広いのにも関わらず、チームワークの阻害要因となってしまう状況を引き起こしかねません。
ミドル・シニア個々人にとっても10〜20年以上は働く中で、自分自身の働く目的、意義を見失うことはエネルギーがでません。
■自分のCanを理解して、意味づけしていく
では、個人としても長く働き、企業としても活躍し続けて欲しいミドル・シニア人材。
彼らがより躍進していくためには解決の方向性はいくつか存在します。
その1つとしてキーワードをあげると「意味づけ」です。
自分の価値観を改めて棚卸し、自分で決めることが、自己信頼や自己効力感に繋がります。
自分で決めた仕事への意味づけは、結果として自分自身へのベクトルだけでなく他者へベクトルが向けられます。
結果として自分がこれまで培ったCan(スキルや経験)を生かして、他者と関わる動機付けになります。
また、他者との関わりがその人自身の組織への帰属意識や新たに学ぶきっかけとなります。
この意味づけが個人の能動性、組織のチームワーク向上の起点となります。
意味づけ、目的意識を把握し、組織に能動的に働きかけたり、組織信頼を醸成することを支援できるのがエナジードの研修プログラムとWebツール(GEAR)です。
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