卒業や進級でステップアップしていく生徒たちを見ながら、昨年度を振り返るこの時期。
これからの時代を生きて働くために必要な資質や能力が学校での学びや経験で得られただろうか、多くの先生がそう考えるのではないでしょうか。
学習指導要領改訂の移行期間にあたる令和2年は、教育の在り方そのものを見直すタイミング。
今回はENAGEEDの導入校事例をもとに、“計画的な”成長の支援についての考え方をお届けします。
これからの時代の学びに必要なこと
勉強し、部活や学校行事を通じて生徒たちは成長していくもの。
そこに新しい教育を仕掛けることで、生徒たちの思考や意欲は大きく変化する可能性があります。
とはいえ、教科以外の項目の目標設定の事例がない、また「総合的な探究の時間」の目的そのものが定まっていないという学校も多いのでは?
まずはこの分野のゴール・目標を設定することのメリットをまとめてみました。
■教育の成果を可視化することができる
「なぜそれを目指すのか?」という目的があってこそのゴールの存在。ゴールへの到達度を把握することで、先生が取り組んだ教育の成果を可視化することができます。
■ゴールに対する振り返りがしやすい
ゴールが設定されると、達成するまでにいくつかの小さな目標が設定され、現在取り組んでいる内容を客観的な振り返りができます。小さな目標達成が成功体験として生徒のモチベーションアップになりますし、計画通りに進まなかった場合でも、その原因を洗い出して「これからどうするべきか」と新しい視点が生まれます。
■相対的な評価ができる
ゴールを設定すると、生徒の評価軸が定まります。評価軸が明確になることで、これまで評価が難しかった5教科以外の生徒の成長度合いを可視化できます。生徒の成長度合いを可視化することで、生徒に対して具体的かつ的確な指導を行うことが可能になり、他の生徒との学習状況の差分を相対的に把握することができます。
■自校の実践に足りないものがわかる
今自校に足りていないものはコミュニケーション量なのか、語彙数なのか、それともリテラシー意識の涵養なのか。足りないものがわかればそこに向けた的確な支援を計画・実行できます。さまざまな項目を不足なく満たし、苦手なものを克服する支援をすることは生徒の自信につながり、全体の意欲・モチベーションを上げます。
他校が実践するゴールの実例をチェック
ENAGEEDの導入により、多種多様な「ゴール設定」で大きな成果を上げている学校のリアルな声について、具体的な事例を紹介します。
■研究発表会や修学旅行などのイベントに
一遍通りな受験対策だけでなく、学年を超えた協働学習を充実させる目的からENAGEEDを取り入れた三田学園中学校・高等学校では、中学1年生からENAGEEDを履修し、ENAGEEDの教材を使った合同発表会が実施されています。教材を活用すれば、論理立てた発表が中学1年生でも自信を持って行えるのが、これまでとの最大の変化。過去のインタビューでは、発表の方法だけでなく傾聴マナーから学べると、発表会や文化祭など学校イベントでの成長を実感されているそうです。
三田学園インタビュー
■ディベートの質を向上させ、アウトプットの量を増やす
「将来の自分を考えよう」という趣旨から、選択授業のひとつとしてENAGEEDを1年間履修できる栄東高等学校では、ENAGEED講座を選んだ生徒たちのグループ発表が話題に。イラスト動画という表現手段を駆使した大人顔負けのプレゼンテーションは、他生徒にも影響を与えるレベルの高さが評価されたのだとか。また、抽象的なテーマに対して多くの例示が登場するENGEEDの教材は、与えられたヒントや情報から生徒が主体となり周りと話すことで新しいアイデアが次々に登場。「他者の視点から+αを生む」というENAGEEDの学びがディベートの質を上げているそうです。
栄東中学・高等学校インタビュー
■キャリア・パスポートとの並行活用
学校での学習や活動内容を記録するキャリア・パスポートは、新教育指導要領の「生きる力」を育む上で、これから大きく重要視される個人の成長を記録したポートフォリオ。指示された通りに動くだけのAIでは踏み込めない、人としての成長が生徒自身の生き方や進路決定に反映されます。自らの学習状況やキャリア形成をキャリア・パスポートで効果的に振り返るためにも、自分が選んだ道を正解にする力を身につけるENAGEEDのプログラムは役立ちます。
【「キャリア・パスポート」特設ページはこちらから】
■現状把握・目標設定をするためのアセスメント(調査)
計画的に生徒の成長を支援するためには、教える側である先生も、これからの時代に求められる力を身に付けていくことが必要です。既成概念に囚われ、刷り込まれた正解を求めてしまうのは生徒だけでなく教員も同じ。日々変化する社会で求められる「決まった正解がない問題に挑み、解決する力」を育てるためにも、現状を把握し、目標の設定を行うことで目指す先が見えてくるはずです。先生が新しい視点や気づきを得ながら授業を進行できるENAGEEDでは、以下のポイントを押さえた指導書で先生方のスキルアップとサポートを行っています。
【ENAGEEDの無料アセスメント(評価)サービスはこちらから】
【ENAGEED指導書のポイント】
・一目で分かる授業の時間配分
・教材の該当ページと所要時間の目安
・ゴールに向けた各ページの目的を記載
・毎回の授業で目指すゴール
・授業進行の流れ
・予想される生徒の反応をまとめた具体例
・各設問の内容やねらい
・生徒のアウトプットを引き出す効果的な発問の仕方
・先生の予備知識を補う補足情報
・各ワークに必要な先生の行動
従来の教科書とは異なる先生と生徒の視点に比重を置いたENAGEEDの指導書は、ゴール設定がブレないよう、目的や生徒への指導方法が細かく記載されているのが特徴。日常と結びつけた問いかけ例や、やる気の引き出し方など、先生の課題解決にもつながることから、学校全体の成長支援が期待できます。変化する時代に対応する次世代スキルに学校が目を向けて取り組む、この意識について考えてみてはいかがでしょうか。