人を育てることが、組織の成果になる。──幌清が挑む“越境の仕組み”

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幌清株式会社    
代表取締役社長
菊地 伸太郎 様

 


 

EV化をはじめとした構造変化が進む自動車産業。その根幹を支えるのが、重要保安部品にも用いられる特殊鋼や鋼管の“品質”です。工程の確実性と安全を大前提に、製造現場にはいま、従来の「指示されたことを正確にやり切る力」に加えて、部門をまたいで知見をつなぎ、改善や前進を生み出す“越境”の力が求められています。
北日本製鉄所(室蘭地区)および東日本製鉄所(君津地区)において、製鉄関連業務を担う幌清株式会社でも、次世代を中心に「自分で考え、周囲を巻き込み、成果につなげる人材」を増やす取り組みが動き始めました。そこで採用されたのが、次世代育成研修 「BASIC for member」 と、日々の内省と対話を蓄積する 「LOUNGE」 です。
特徴的なのは、研修を“学びで終わらせず”、日々の記録と対話が現場で回り始めている点です。LOUNGEを通じて振り返りの蓄積とフィードバックの循環をつくり、上司・部下のやり取りが日常の業務に組み込まれていきました。さらに、投稿の約53%が「発案」(うち約35%が「着目すべき発案」)として蓄積され、個人の気づきが“組織の前進”へ接続し始めています。
では、幌清はなぜ今「越境」を育てる必要があったのか。そして、なぜその手段としてENAGEEDだったのか。菊地社長が重視する「人を育てることが、組織の成果になる」という考えのもと、研修とLOUNGEをどう組み合わせ、現場の対話と行動をどう設計しているのか——。導入の背景から、運用の工夫、そして次の一手までを伺いました。

 


 

 

変化の時代、「現場の強さ」を“組織の推進力”に変える

EV化・カーボンニュートラル対応、品質要求の高度化。産業構造が変わるほど、ものづくりの現場では「安全・品質・納期」を守りながら、改善を積み上げ続ける力が問われます。
北海道・室蘭、そして千葉・君津。国内有数の製鉄・製造拠点の最前線で、操業を支える仕事には、目の前の作業を確実にやり切るだけでなく、変化の兆しを捉え、周囲を巻き込み、前に進める“人の力”が欠かせません。
幌清株式会社は、製鉄所を中心とした現場で、操業・設備・施工・保全等の実務を担い、品質と安全を支えてきました。
 そんな幌清が次に見据えたのは、現場の強さを「個人の頑張り」ではなく、部署を超えて連携し、成果につながる“組織の力”へと変えていくことでした。
そこで採用したのが、次世代育成研修 「BASIC」 と、日々のアウトプットを対話につなげる 「LOUNGE」。研修で火を灯し、日常の仕事で育て続ける“越境の仕組み”づくりが始まりました。

 

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「かっこいい大人」とは、“自分で考え、自分で動き、周囲を巻き込める人”

導入の起点には、菊地社長が大切にしてきた言葉があります。

「かっこいい大人とは、自分で考えて、自分で行動する人。周りを巻き込みながら達成できる人を増やしたい」

一方で、現場が真面目であるほど、仕事が高度であるほど、どうしても“依頼された業務を完璧にこなす”ことに集中しがちになります。
幌清でも、
発注企業の依頼に対して高い実行力を発揮する一方、そこから一歩踏み出して「自分たちから何かを起こす」局面では、手が止まってしまうことがある──菊地社長はそう捉えていました。

さらに、部署を超えた連携を生み出そうとすると、現場には“見えない壁”が立ち上がります。会話の機会そのものが少ない。情報共有が片側通行になりやすい。管理職側も、目の前の業務を回すことが優先になり、他部署へボールを投げる設計がしづらい。
越境は「やる気」だけでは起きない。だからこそ、仕組みが要る──それが幌清の出した結論でした。

 

研修で「思考の型」を揃え、現場で“兆し”をつくる

幌清が実施した「BASIC for member」は、単なる座学ではなく、日々の業務に接続する前提で設計されました。
研修で扱ったのは、たとえば次のような思考の軸です。

  • 逆算:ゴールから必要な手順を組み立てる
  • 他者視点:自分の担当外にも影響を広げて考える
  • デキナイをデキるに変える:障害を分解し、打ち手に落とす

研修後、菊地社長が“良い兆し”として挙げたのは、「逆算」という言葉が現場のアウトプットに現れ始めたことでした。
ただし同時に、課題も見えます。ゴールを描ききれないまま「できるところから」着手してしまい、最終的に完工・完了に届かないケースがある。つまり、思考として芽が出ても、行動に落ち切らない瞬間がある。

だからこそ幌清は、研修単体で終わらせず、”日常の仕事の中で“考え方を使い続ける場”として、LOUNGEの活用に踏み込みました。

 

記録が、対話を生み、次の一手になる。幌清がつくった兆し

LOUNGEの狙いは、日々の気づきや判断を“その場限り”にせず、次の行動や連携につながる学びとして蓄積していくことです。

幌清では研修後、運用の途中から上司側が「コメントする側」として関与する形に切り替え、記録が“対話”として返ってくる状態をつくっていきました。

実際、2025/9/10〜2026/1/19の期間で、デイリーの記録は1,227件(103日)。

投稿の約99%にリアクション、約73%にコメントが社員同士で付き、上司側の関与も一定量発生しています。

重要なのは、数の多さそのものより、「記録→反応→対話」が習慣として回っている点です。成果だけでなくプロセスにも反応が返ってくる。この体験が、現場の継続と“次の一手”を支えています。

 

「肯定」だけでは終わらせない。次の一手は“コーチング”で引き上げる

一方で、菊地社長は上司側の関わりに、ある期待も語ります。
ポジティブな声かけが増えること自体は良い。だからこそ次に必要なのは、**足りない点に対しても、相手の意欲を折らずに前へ進める“問い”**である、と。

「肯定は良い。ただ、足りない点へのリアクション──コーチングに近い関わりがあるとなお良い」

ここは、従業員にとっても管理職にとっても、難易度が上がる領域です。
現場のアウトプットが“出来事中心”になったとき、上司側はコメントのしようがなくなる。結果として、反応が薄くなり、継続の熱量にも影響が出てしまう。

だから幌清が次に見据えるのは、LOUNGEの運用目的を改めてそろえ直し、「書く」から「次に進む」へギアを上げることでした。具体的には、例えば次のような観点です。

  • 今日生み出した成果は何か
  • 次の一手は何か(何を変える/試す/やめる)
  • 誰と組むと前に進むか(越境先の想定)
  • ゴールは何か(逆算の起点)

菊地社長自身も、プロダクト上の問いとして「他部署と関わる余地はなかったか」「次の取り組みにつながることはないか」といった越境を促す問いが有効ではないか、と示唆しています。

 

目指すのは「上下」ではなく「横」。越境が“当たり前”になる組織へ

菊地社長が繰り返し語るのは、最終的な目的が単なる業務効率ではなく、社員の幸せと、仕事のやりがいにあることです。
目の前の仕事をこなすだけでは、長期的な充実にはつながりにくい。仕事は一人ではできないからこそ、みんなで達成して、連鎖的にやりがいが生まれる。特に若い世代には、その実感を持ってほしい──。

そのために必要なのが、縦の管理だけではなく、横のつながり。
「他部署では何をしているか」が見え、掛け合わせが起き、発想が生まれる。幌清がつくろうとしているのは、まさにその状態です。

 

ENAGEEDが提供するのは、“一過性の研修”ではなく「越境が続く仕組み」

研修で火を灯し、LOUNGEで育て続ける。
幌清の取り組みは、人材育成を“イベント”として終わらせず、日々の仕事の中に埋め込む挑戦です。

そして今後は、アウトプットの価値を可視化し、上司側の関わりの質も引き上げる機能開発も進んでいます。
「個人の成長」と「組織の成果」をつなぐ回路を、仕組みとして強くする。

越境が、特別な挑戦ではなく、日常の呼吸になるとき。
組織は、静かに、しかし確実に強くなっていきます。

  • 企業名

    幌清株式会社

  • 業種

    製造業・メーカー

  • 職種(導入した部署)

    生産部/設備部/安全推進部/業務部

  • 従業員数

    300名 ※2023年3月末日時点

  • 導入サービス

    LOUNGE、人材育成プログラム

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